創業100年のほこり
姫の井は昔からモチ米四段仕込みによる製法で酒造りを行ってきました。
四段仕込みで酒造りを行う酒蔵はありますが、四段仕込みの中にモチ米を使用している蔵は、極わずかです。このモチ米四段仕込みによってできた日本酒はコクと旨味が強くなります。
いうなれば「濃厚辛口」の酒。
新潟の日本酒として多くの方がイメージする「淡麗辛口」の酒とは少し異なるかもしれません。
ただ私達は創業100年の歴史の中で培われてきたこのお酒に誇りを持っています。
また、高柳地域を含む鯖石川・鵜川・渋海川の上中流域沿いは、新潟県内でも多くの杜氏を輩出する地域として知られています。高柳町にも、酒造りに関わった事がある方が多くおり、今でも姫の井の蔵人の大半は高柳町出身です。杜氏輩出の地として知られる地域の歴史と技術は、姫の井の酒造りにも生かされています。
小さい酒蔵なので、大量生産はできません。遠くにお住まいの方達には目に触れる機会も少ないかもしれない。ですが、自分達のできる範囲で、先人の意思を受け継ぎつつ一生懸命、酒造りに励んでいきたいと思っています。
ふるさと高柳からの恵み
新潟県柏崎市の山間部に位置する高柳町。
当地域は、冬季に約1.5mの積雪に見舞われる豪雪地帯です。
降り積もる雪は、時には災害にもなりますが、一方で雪を楽しむ為の雪まつりなども開催されています。この雪は酒造りにも大きな恩恵をもたらします。
姫の井は雪の降り積もる冬季に酒造りを行っていますが、この雪が空気中の塵などを包み込み空気がきれいになると言われています。加えて、豪雪地帯ではありますが、冬季の平均気温が氷点下になる事は少なく、雪のおかげで気温の変化が少ない点も特徴です。
この環境は酒造りで重要な麹や酵母にとって最適な環境であり、逆に酒造りに影響をもたらす雑菌の繁殖を防ぐ働きもしてくれています。
また、高柳町は、山々に囲まれ、モリアオガエルやきれいな水の指標生物であるサワガニなど多くの生物が暮らす自然豊かな地です。姫の井の酒造りに使用しているのは、自然豊かな高柳町の湧水。この湧水は、軟水で酒造りにとても適している水です。
姫の井は、ふるさと高柳の恵みをたくさん受けて、高柳の自然とともに酒造りを行っています。